副収入があれば、会社員でも自由に生きていける。そういう人生を送ろうよ!

もはや害虫レベル、パワハラ役員の行く末

あぶない会社よサラバ!



今回の登場人物

スポーツワールド商事株式会社
大手総合商社の子会社でヨーロッパのスポーツ用品やアウトドア用品を扱っている専門商社。

主人公:矢崎
スポーツワールドのベテラン社員で営業部門の課長職。
顧客から信頼が厚く、社内では現場の中心人物。

社長:須崎
親会社から天下ってきた社長。
プライドが高く、高圧的な態度が社員から嫌われている。
自分の評価のことばかり考えていて、会社の将来に対してのビジョンが無い。

専務:江頭
須崎の親会社在籍時の同期。
スポーツワールド商事に天下ってきて専務に就任した。
とんでもないパワハラ男。

営業社員:中田
江頭の部下。
江頭の言動に頭を抱えていてノイローゼ気味になっている。

 

憂鬱な新年度のスタート

須崎が社長に就任して4年が経った。
この須崎という男は、自分の言いなりになる人物しか評価をしない自分中心の人物で、親会社在籍時から評判が悪い男だった。

そして、今年度は須崎の親会社時代の同期、江頭が専務として就任した。
この男も人が挨拶をしても目線も合わせず、シカトしてズカズカ歩いていくような男で、これまた評判は最悪な男だった。

このパワハラコンビが社内でデカイ顔をしている。
困ったものだった・・・。
ほとんどの社員が、憂鬱だっただろう。

矢崎:この2人は面倒くさいな。今年度は何か大きな波風が立つだろうな・・・。

江頭の迷走が始まる

須崎と江頭は、よく2人でテーブルに座り、何やら楽しそうに話をしていることが多かった。
特に仕事の話をしている訳ではなさそうな雰囲気だ。

江頭が専務に就任して3ヵ月が経つ頃、いくつか問題が浮き彫りになってきた。
勤務時間中に自分のデスクで居眠りをしているのだ。
しかも毎日。
スポーツワールド商事は、社員数約100名の中小企業で、社長室や役員室といった別室が無い。
社員と役員のデスクが同じフロアに置かれている。

そういう環境なので、江頭が毎日居眠りをしているのは、当然社員全員が見ている。
もちろん、社長の須崎も見ていた。

そんな江頭が、会議ではいつも高圧的な態度で社員に接してくる。


ある日の会議でのこと・・・
江頭:おい!おまえ、次の会議までに資料を作っておけ!
   それと部内全員の職務経歴書を作れ!
   部員全員がどんなスキルを持っているのか把握する。


中田:はい・・・わかりました。


翌日
中田:矢崎さん、ちょっと時間ありますか?
矢崎:いいよ、どうしたの?

中田:実は昨日の会議で江頭さんから部員全員が職務経歴書を作って提出しろと言われました。
   そんなことして、何の役に立つのか理解ができないですよ。

矢崎:そんなことがあったんだ。江頭は自分の言動が社員の仕事の妨げになっていることが
   分かっていないんだね。

現場の社員に、❝現状を把握する❞という理由で資料を作るだけ作らせて、ほとんどが時間の無駄になるパターンだった。
もちろん、部内の問題点を客観的に捉えた上で、部員の職務経歴書を作らせて、目を通して適材適所を
真剣に考えるのなら意味があることだ。

しかし、その職務経歴書は作って提出した時点で終了。
普段から社員とコミュニケーションを取ろうとしない江頭がこの職務経歴書を見たところで
会社にとってプラスになるようなことが起きるはずがない。

事件発生!

スポーツワールド商事では、須崎が社長に就任してから50人の社員が退職していった。
スポーツワールド商事は、ヨーロッパのスポーツ用品を中心に日本の総代理店権を獲得している業界では一目置かれている会社だ。
社員はスポーツ好きやアウトドア好きな社員が多く、いつもユーザー目線で商品の販売企画を
量販店に提案していて、業界での評価が高い会社だった。

そんな社風の会社に自分のことしか考えていない高圧的な社長の須崎と専務の江頭がズカズカと
出しゃばってくるものだから多くの社員は嫌気がさして、会社を辞めていってしまった。

ある日、矢崎の予感が的中した。

一通のメールが全社員宛に流れた。
『江頭専務は本日付で退職となりました。』

何とも言えない雰囲気が社内に漂っていた。
社内のあちらこちらで、『何が起こったんだ??マジか?』とひそひそ話が聞こえた。

矢崎を含めて、社員全員はなぜ江頭が退職したのか知らされていなかった。
江頭を恨んでいる社員が多かったので、彼が突然辞めたことを面白がっているものも多かった。

数日後・・・
中田:矢崎さん、今時間あります?
矢崎:いいよ。

中田:実はこの前の飲み会で、私と数人の社員が江頭と一緒に飲んでたんですよ。
矢崎:そうだったんだ・・・。

中田:江頭が酔ってその場にいた人達に絡み出したんですよ。最悪でした。
矢崎:あいつのやりそうなことだな・・・。

中田:それだけならまだしも・・・。私見ちゃったんですよ。
矢崎:え?何があったの?

中田:飲み会が終わった後、コンビニ行ったんです。
   そうしたら江口がコンビニで万引きを始めたんですよ。
矢崎:ええ!?なんだそれ!

中田:散々パワハラされて頭に来てたので、警察に通報して突き出してやりましたよ。
   私から聞いたことは内緒にしておいてくださいね・・・。
矢崎:分かった。しかし、こんなことってあるんだ・・・。

矢崎は呆れて言葉が出なかった。
うちの会社の役員が万引き事件を起こすとは・・・。

事件後の社長の対応

後日、社長の須崎から全社員に向けて話をする機会があったのだが、江頭が辞めた理由を説明することはなかった。
『理由は言えませんが、敢えてこちらから江頭専務が退職したことを口外しないように』ということだけだった。

役員以外で、江頭が辞めた理由を知っている社員は、矢崎と中田の2人だけだった。
実は、江頭は須崎が親会社に推薦して、スポーツワールド商事の専務に就任させたのだった。
須崎はこの事件について、自分の身に火の粉が降り掛からないように根回しをしていたようだった。

ほとんどの社員達は、江頭が辞めたからと言って商売に全く影響しないことは分かっていたので、
呆れた顔で『どうでもいいよな・・・。』という反応だった。

一部の社員の中では、須崎の任命責任を追及しようという動きはあったが・・・。



この話はフィクションです。
登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

2019年7月1日

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